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2006年8月 8日 (火)

今の国に靖国神社を任せてもいいのか?

麻生外相、靖国神社の非宗教法人化を(Sankei Web)

≪最終的に特殊法人に移行へ≫

 麻生太郎外相は8日午前の閣議後の記者会見で、靖国神社問題に関する見解「靖国に弥栄(いやさか)あれ」を公表した。宗教法人の靖国神社が全国の護国神社とともに自発的に解散して非宗教法人化し、最終的に特殊法人「国立追悼施設靖国社」(仮称)に移行させ、国家護持することを提唱している。「靖国社」の慰霊対象は特殊法人の設置法に明記し、「A級戦犯」分祀(ぶんし)を念頭に「国会が国民の代表として議論を尽くし、決断すべきだ」としている。

 靖国神社をめぐっては、安倍晋三官房長官が4月に参拝していたことが判明、小泉純一郎首相の8月15日参拝が注目されている。また、非宗教法人化は自民党の古賀誠元幹事長や中川秀直政調会長らも提唱している。党総裁選に出馬する意向の麻生氏は、靖国問題について「政治的取引材料にすることはあってはならない」との立場だが、靖国神社が現状のままであれば、首相に就任しても参拝を自粛するとみられる。

 麻生氏は見解で、靖国が唯一の戦没者追悼施設であると指摘。戦後、宗教法人とされたことについて「国家がなすべき戦死者慰霊を一宗教法人に丸投げした」と批判し、非宗教法人化による「国営化」の必要性を強調した。そのうえで、靖国神社が自発的に任意解散手続きをとり、財団法人などを経て特殊法人化する手順を示している。

 麻生氏は、こうした手続きによって天皇陛下や首相、外国首脳の靖国参拝が可能になるとして、「(手続きに)何年も費やすべきではない」と結んでいる。

 わたしは、麻生さんの政治姿勢は基本的に好きだし、外交姿勢も評価しています。ただし、最近の麻生さんの靖国神社に対する姿勢だけはちょっと気になっていました。
 7日の麻生さんのHPにおいて8日に私見を発表するとのことでしたので注目していたのですが、残念ながらこの点においては麻生さんは支持できないなという感じです。

 ちなみにわたしは、国家護持賛成。
 麻生さんも言っているように「国家が戦没者の慰霊をすべき」だと思っています。が、今の国に靖国神社の管理を任せるべきかというと、それは絶対に反対です。

 なぜ今、国家護持はダメか。一言で言うなら、

 今の国からは、御霊の安らぐ靖国神社という場を何があろうとも守り通すという覚悟が感じとれないから。

 今、国の管理下に置かれたら、間違いなく政治的な思惑による元A項戦犯を始めとした魂の選り分けが始まります。これがどれほど不遜なことかは、ちょっと考えればわかるでしょう。分祀などといっていますが、魂の差別です。
 また、麻生さんがいくら「政治的取引材料にすることはあってはならない」と言ったところで、元A項戦犯の分祀などという前例を作ってしまえば、政治的に利用されることは目に見えています。特定アジアや国内の反日団体の圧力などにより、前例があるからという理由で「政治判断」がなされないとは言い切れないでしょう。

 靖国を国の追悼施設とするなら、その時の政権や外交関係により慰霊対象がころころ替わるなどということはあってないけないのです。国会議員の議論によって分祀が決まるというなら、「誰々を分祀する」ということが政権公約になるかもしれません。そんな馬鹿な話があっていいわけがないです。
 政治介入を目的とした国家護持など必要ありません。

 靖国神社を国家護持とするならば、最低でも三権からの完全な独立を憲法に明記するぐらいでなければダメでしょうね。

【追記】
麻生さんのHPに、全文が載せられています。

靖国に弥栄(いやさか)あれ

 さて、これを読むと、新聞記事にあるような元A項戦犯の分祀に直接言及したような記述はありませんでした。ちょっと、乗せられたかな。
 ただ、このような事も書かれています。

 それではいったい、どういう人々を慰霊対象とすべきなのか。周知のとおり、ここは靖国を現在もっぱら政治化している論点にかかわります。だからこそ、あいまいな決着は望ましくありません。「靖国を非政治化し、静謐な鎮魂の場とする」という原則に照らし、靖国社設置法を論じる国会が、国民の代表としての責任にかけて論議を尽くしたうえ、決断すべきものと考えます。  
  注意していただきたいのは、この時点で、宗教法人としての靖国神社は既に任意解散を終えているか、その手続きの途上であるか、あるいはまた過渡期の形態として、財団法人になっているかしていることです。すなわち
慰霊対象の特定、再認定に当たり、「教義」は既に唯一の判断基準ではなくなっています

 言い回しとしては、かなり微妙…
 宗教法人ではなくなった後の話としてですが、教義以外の判断基準もあり得るということですね。
 では、教義以外の判断基準はなんなのかというと

靖国社設置法を論じる国会が、国民の代表としての責任にかけて論議を尽くしたうえ、決断すべき

 やっぱりこれになっちゃうの?
 結局、上に書いたような魂の選別が始まってしまうような気がします。誰々を慰霊対象にするから、では某は妥協して慰霊対象外にするみたいなね。これじゃ政治の駆け引きと変らないよ。
 今まで祭られていなかった空襲などで亡くなった方々を新たに慰霊対象にするとかならわかるけど、今祭られている英霊の再認定というのは、やっぱり違和感を覚えます。

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コメント

私の見立てでは敢えて「分祀論」の土俵に乗ることでその困難さを際立たせようと言う高等戦略なのかな、というところです。

反対論が出るのも織り込んであると思いますよ。

投稿: 煬帝 | 2006年8月 8日 (火) 23:32

わたしもこれが麻生さんの壮大な釣りであることを願います。(笑)
全文を読んでみますと、確かに同意できる部分も多々あります。予算の辺りなどは、わたしのような素人では、なかなか目が向かないところでもありましたし。

投稿: yuga | 2006年8月 9日 (水) 00:22

TBありがとうございました。
私も現代に生きる者が英霊の選別をするなど傲岸不遜もはなはだしいと思っております。
いまのままの靖国神社を国家護持にするというのなら賛成です。しかし、小堀教授が指摘されているように、現代の日本は靖国神社を国家護持できるような矜持をもった国ではないのも確かです。情けない話ですが・・・。

投稿: 小龍景光 | 2006年8月 9日 (水) 23:04

靖国神社を国家護持にするためには、日本という国がもっと成熟しなくていけないですよね。
そのためには、国会議員がもっと成熟しなくてはいけないし、突き詰めていくと国民が成熟しなくてはダメということなのでしょうね。

投稿: yuga | 2006年8月10日 (木) 00:36

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